Project Story 03 メディアミックスで大学広報の「柱」を担う。 Project Story 03 メディアミックスで大学広報の「柱」を担う。

Project Story 03

メディアミックスで
大学広報の「柱」を担う。

青山学院大学「AGU LiFE」

担当ディレクター:広報メディア局広報メディア制作部

平塚 正之

※2019年当時

印刷物、ウェブ、動画などをワンストップでカバー。
「こんなことを伝えたい」をクロスメディアで形にする。

「トータルメディアプロデュース」をコンセプトに掲げ、印刷物、映像、ウェブなどの広報ツールを手掛ける文化工房。クライアントのニーズが多様化する中、複数のメディアを有機的に組み合わせて発信するメディアミックスに、大きな強みを発揮している。
文化工房は1986年に自治体広報ビデオ・刊行物の制作を始め、その後、省庁、学校などへとマーケットを広げてきた。特に大学広報は、大学案内、ウェブサイトの記事、紹介映像など約200タイトル(2018年度実績)を手掛けている。その中には、各メディアの特性に合ったコンテンツを企画・制作し、さらに、複数のメディアを組み合わせて相乗効果を図っているものもある。その一つが、「AGU LiFE」をはじめとする青山学院大学の大学広報コンテンツだ。

AGU LiFEは、大学で培った国際感覚やチャレンジ精神を糧に、各分野で活躍する卒業生、在学生の姿を記事、写真、動画で伝えるウェブコンテンツ。ほかにも、教員の研究を映像で紹介する「AGU RESEARCH」や大学紹介用の動画、さらに紙媒体の広報誌「AGU NEWS」など、メディアを問わず、青山学院大学を発信する多くの広報ツールを手掛けている。
多様なコンテンツの制作に関わるようになったのは、2011年ごろ文化工房が提案したコンテンツの内容と制作力が、サイトの充実を図りたい大学のニーズと合致し、AGU RESEARCHの前身である「AGUインサイト」がスタート。その後も、企画の見直しなどを図りながら実績を積み上げてきた。

AGU LiFEのうち、主に記事や写真のディレクションを担当する平塚正之にとって、青山学院大学のコンテンツ制作は、特に責任の重さを感じる仕事だという。
「通常の案件では、クライアント側が何を作るかを固めてから依頼が来るわけですが、青山学院大学の場合、“こんなことを伝えたいがどうしたらいいか”というアイデアの段階でご担当者から相談を受けます。信頼されていると感じますし、こちらから提案しがいもある。同時に、プロとして良質なものを制作しなければならないと強く感じてもいます」
そこまでの信頼を得られるようになった要因は、いくつもある。数多くの案件を通じて、大学側の要望に対する理解力、対応力を高めてきたこと。文化工房が培ってきた企画力や制作力。さらに、メディアミックスができる社内体制も、その一つだ。

「青山学院大学に限らず、取材や写真撮影をしている最中、『これ、動画でも撮れませんか?』と聞かれることが増えてきました。そこで『できますよ』と即答できるのが、文化工房の強みです」と平塚。YouTubeやSNSが重要な広報ツールとなっている今、大学広報でも映像制作の需要は高まっている。ところが、印刷物、ウェブ、動画という各コンテンツを一社でカバーできる制作会社は、決して多くないのだという。
「AGU LiFEで言えば、ウェブ記事のためのインタビューと写真撮影、動画の撮影を一つの取材を元に作ることができる。それぞれ別の会社に発注していたら、手間もコストも何倍もかかってしまいますから、大学側にとってもメリットが大きいと思います」

印刷物、ウェブ、動画などをワンストップでカバー。「こんなことを伝えたい」をクロスメディアで形にする。

平塚をリーダーとして、動画とウェブのそれぞれの専門知識を持った担当者がチームとなって制作にあたる。

素材を見て、器の特性に合わせて、最高の形に仕上げる。
正解がない大学広報こそ、プロの腕の見せどころ。

クライアントの手間やコストを削減できること以上に、一社で複数メディアのコンテンツを制作するメリットがある。それを平塚が強く感じたのは、AGU LiFEで演劇研究会を取り上げた時だった。
「まず代表を務める学生に記事向けのインタビューをしたのですが、実は、この時点ではまだ、記事で何を伝え、動画では何を伝えるか、内容を固めていませんでした」
インタビューでは、研究会にはさまざまな役割を担うスタッフがいることや、そのスタッフを束ねる舞台監督としての思いが、熱っぽく語られた。平塚と映像のディレクターは、その様子を見た後で、記事と動画の“棲み分け”を相談したという。
「ウェブの記事は、長文で学生の話をしっかり読ませたい。映像では、取材を受けた学生だけでなく、いろいろな役割の学生を紹介し、研究会の活動の様子も見せられるのではないか―。演劇研究会の魅力を最大限に伝える方法をあれこれ話し合い、後日あらためて動画の取材をすることになりました」
素材を見てから、メディアの特性に合わせてコンテンツを決める。そんな自由度の高さは、同じ会社のスタッフ同士だからこそ生まれると平塚は考えている。
「一つの案件に関わる制作スタッフの距離が近く、互いに人となりを知っている。立ち話レベルで情報を共有しながら仕事を進められるので、安心感があります」

近年大学では、受験生に加え、地域住民や企業など幅広いステークホルダーに大学の情報や魅力を発信する、新たな広報活動の重要性が増している。青山学院大学にとって、そうした広報活動の柱が、AGU LiFEやAGU RESEARCHだ。
大学のニーズを捉えた提案をすること。信頼に応えるコンテンツを作り続けること。一朝一夕にはできない仕事だが、だからこそ平塚にとってAGU LiFEは「プロとしての腕の見せどころ」だといえる。
「大学のブランディングを担う重要なコンテンツを一手に引き受け、今なお新しく制作するコンテンツが増えている。そのことが、文化工房を評価していただいている、何よりの証だと思っています」

素材を見て、器の特性に合わせて、最高の形に仕上げる。正解がない大学広報こそ、プロの腕の見せどころ。

取材後に内容を整理し構成を検討。「クライアントの意向を汲んだ上で、+αの提案をしたい」と意気込む。