Interview 02
「すげえ場所にいるんだな」。
あの高揚感を、カメラを通じて伝えたい。
坂東 恒紀 Kouki Bando
カメラマン
番組制作局 中継制作部
2016年入社
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文学部史学科卒業のカメラマン志望者。熱意を買ってくれたのが、文化工房でした。
本格的なカメラを初めて触ったのは大学時代でした。所属していたダンスサークルで、SNSやイベントなどで流すダンス動画の制作を担当することになり、完全にのめり込んでしまったのです。卒業後は教職に就くつもりでしたが、「カメラマンになりたい!」と一念発起。就職浪人を覚悟の上で、映像制作に携われる会社にエントリーして、落ちまくった末に手を差し伸べてくれたのが文化工房でした。映像を学んだわけでもない自分に「熱意さえあれば大丈夫だよ」と言ってくれて、本当に嬉しかったですね。入社後は、CA(カメラアシスタント)としてスポーツニュースの取材に取り組むことになりました。機材は重いし、日によって拘束時間が違うし、体力的にはめちゃくちゃハードでした。でも、好きな仕事に携われて、毎日が楽しかったですね。
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スノーボードハーフパイプ決勝。自分の上で、あの金メダリストが大技を決めた。
カメラマンの仕事をそばで見ていて、最初は不思議なことばかりでした。「どうしてその画(え)を撮るんだろう」「どうしてそこへカメラを振れるんだろう」と。例えば野球の試合で、バッターから打球へと即座にカメラを向けられることすら不思議でした。先輩たちにいろいろ質問する中で、ある時「三脚の振り方や身体の使い方は教えられるけど、なぜその画が撮れるかは教えられないよ。自分で掴んでいくしかないから」と言われて、ストンと腹に落ち、教わるだけでなく盗むことも意識するようになりました。駆け出し時代で印象に残っているのは、冬季オリンピック。スノーボードハーフパイプの決勝では、デッキ(パイプのへり)に登って撮影したんです。自分の目の前で金メダリストが大技を決めた時には「俺、すげえ場所にいるんだな」と、感動なんて言葉じゃ済まないほどの高揚感をおぼえました。
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チームで流れをつくる『中継』、決定的な瞬間を狙う『ENG』。様々な撮影を経験中!
入社6年目の後半くらいから徐々にCAからカメラマンへとステップアップ。初めてカメラマンとして仕事を任された時は本当に嬉しかったですね。文化工房が手掛ける映像撮影には、試合の流れを撮影する『中継』と、編集するための素材を集める『ENG』があります。中継の場合は、他のカメラマンが撮っている画を見ながら「そっちがフィールドを追うなら、こっちはゴール前を狙おう」といったふうに、撮り分けを意識しながら流れをつくっていきます。ENGの場合は「あの選手がゴールする瞬間を狙おう」と、その時がくるのを待つことも多いですね。個人的にはENGのほうが性分に合っているように思うのですが、僕はまだまだ成長の途中。中継、ENGはもちろん、カメラの種類にもジャンルにも囚われず、幅広い仕事に挑戦していきたいです。
本文の内容は取材当時(2023年10月)のものです。